【インドネシア市場】インドネシアのスタートアップ企業、今年の運命はいかに!?

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今後、成長著しいインドネシア市場の様子をお送りしていきます。
今回は成長著しい、インドネシアのスタートップ企業の動向についてお送りします。。

バイクタクシー大手Go-Jekへの巨額な資金提供

2018年2月中旬、Go-Jekは国内2大投資企業であるAstra InternationalとDjarum Groupの子会社の一つであるPT Global Digital Niaga(GDN)より資金提供を受けたことを発表した。

Astra Internationalからの投資は一億5千万USドルすなわち2兆ルピアにまで上る。一方GDNによる資金額は公表されていない。

この投資はGo-Jekの12億ドルすなわち16兆ルピアを集める最新の投資ラウンドの一部である。Google、Temasek Holdings、Meituan-Dianpingといった海外企業も、その投資ラウンドにおいてGo-Jekに資金提供を行っている。

こうしたGo-Jekへの投資は、スタートアップ分野の企業にとってよい滑り出しだ。国内の大企業が彼等を通してデジタル分野で投資ポートフォリオをさらに拡大させることができる可能性があるからだ。

投資の大部分は4つのユニコーン企業へ

Daily Socialがリリースした2017年のStartup Reportによると、現在インドネシアには4つのユニコーン企業がある。Go-Jek、Traveloka、Tokopedia、Bukalapakだ。

2017年正式に発表された投資家(投資企業)よる投資額は30億に到達する。残念なことに、その内の大部分は先のユニコーン企業への投資であり、額としては16~28億USドルにまで上る。

2017年Tokopediaは、中国の大企業であるAlibaba GroupのJack Maより11億USドルという非常に十分な資金提供を受けた。

Go-JekはTencent、JD.com、Google、TemasekそしてMeituan-Dianpingより12億USドルの、TravelokaもExpediaから5億USドル資金を得ている。一方Bukalapakは、彼らをユニコーン企業とするほど大きな資金額がどれほどであるかについて終始口を閉ざしている。

2017年に公表された総資金調達のうち、54,55%は国内の投資企業によるものだった。海外では、アメリカが最も投資を行った国で、シンガポール、中国、日本がそれに続く。

スタートアップ企業の株式参入および合併・買収事情

インドネシアの証券取引所よると、初めてKiosonとM Cashの二つのスタートアップ企業が正式に株式市場に参入したと報告している。

またIPO(新規株公開)に加え、14のスタートアップ企業が買収または合併に成功している。

例えばGo-Jekはフィンテック(ファイナンシャルテクノロジー)部門で活躍しているMidtrans、Kartuku、Mapanの3つのスタートアップ企業を正式に買収している。一方Bibi.comはオンライン旅行会社部門の大企業の一つであるTiket.comを買収した。また、オンラインデートサイトのSetipはシンガポールの会社に買収された。

2018年期待される産業はヘルスケア、フィンテック、メディア

Daily Socialはヘルスケア、フィンテック、及びメディア部門がこの2018年に成長する部門になると予測している。Daily SocialのCEOであるRama Mamuanya氏は、フィンテック部門は、消費者へ提供される「簡易さ」への需要が増し、より身近になるにつれて益々成長していくだろうと予測している。
メディア部門も期待されているセクターの一つである。これは、2018年が政治の年になるという事実にも基づいている。

ヘルスケア産業は第二のフィンテック?

ヘルスケア部門は、第2のフィンテックになるとされている。ヘルスケア部門のスタートアップ企業の動きはフィンテックが2年前に登場した時と似ているとRama氏は言う。
というのも、この2つの産業は健康と財政、つまり様々な規則によって守られているため安全性のレベルが高く、ヘルスケア業界にもすでに、スタートアップ企業と比べて多くの安定した大企業が存在している。
Rama氏は、このヘルスケア業界への参入は少し難しく時間もかかるが未来はそうなるであろう、とも述べている。

スタートアップ企業、成長のカギは「簡易化」

同様の事がGDP VentureのCMOであるDanny Wiriantoによっても言われている。彼によると、ヘルスケア産業のスタートアップ企業の成長のカギは「簡易化」にあるという。

現在、インドネシアの社会保険であるBPJS社会保険証を所持している多くの者が、いつ手続きの確認がなされるのかもわからないまま長い間ずっと待っている。現在起きているこうした悪循環を取り除くことができるスタートアップ企業がいれば、そこに投資行いたい企業はたくさんいるとDannyは確信する。

また、おそらく現在、ヘルスケア部門のステークホルダーがまだ、もしくは全く変化をすることを求めていない。しかしこれを打ち破るものがあれば、この業界における全てを変えてしまうだろう、と話す。

最新テクノロジー、IoT、AI、ブロックチェーンの今後は?

期待の業界に加え、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、ブロックチェーンといったテクノロジーはその可能性を発展させ続けており、生産者や消費者はよりその利便性を感じることとなる。

IoTやAIについては、数年前からすでに消費者達がその先進性について感じ始めている。ブロックチェーンは、銀行業界やヘルスケア業界といった様々な業界の状況を変えるべく期待されている。

ブロックチェーンそのものが、インドネシアだけでなく世界中でまだ初期段階にあるとRama氏は言う。
フィンテックが最初に導入された際、多くの銀行はオーバーヒート状態になった。それは銀行業側がATMの機械を導入するために数兆もの大量な投資をしたからで、その一方フィンテックのスタートアップ企業側はe-moneyやe-walletを作り出し売れるようにするためにたった数十億必要なだけであった、と続ける。

 

ブロックチェーンへの期待

最近ブロックチェーンに関して起こっている出来事は、e-moenyやe-walletが出現してきた時と似ている。

テクノロジーの焦点は二つ、コスト削減と収益を増やすことだ。もしこの二つ点を手助けできるものがあれば、必ず需要が伸びていくだろうとRama氏は言う。
Rama氏によるとブロックチェーンの優れた点は、大量のコスト削減が期待できる点だ。以前は数日かかっていたような業務プロセスが、数分か数秒足らずで行える。
BCA銀行はそのオペレーションプロセスにおいて、すでにこのブロックチェーンを導入し始めているようだ。同意やサインが何枚も必要なケースでも短い時間で終わらせることが出来る。

ブロックチェーンは土台となるテクノロジーでインターネットのようなものである。このシステムは後に、様々な業界で採用されていくのではないかとRama氏は言う。

翻訳元記事:http://marketeers.com/mengintip-nasib-startup-dalam-negeri-di-tahun-2018-ini/

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